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キリアン:ムーンライト イン ヘブン

KILIAN

MOONLIGHT IN HEAVEN(2016年)

調香師:カリス・ベッカー

おすすめ度:★★★☆☆

 

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2018年秋、念願だったキリアンとフレデリック マルが揃って日本に上陸した。

日本橋の店舗に足を運ぶと、まるでそこはバーカウンターのような空間。

そして、香り以上に、ラグジュアリー感溢れるボトルとケースに目を奪われる。

 

ムーンライト イン ヘブンは初めて買ったキリアンの香りだ。

当時は、目を瞠るような美しい青色の液面のボトルは、ムーンライト イン ヘブンのみだった。

一つ一つの香りを試していくことはこれからの楽しみと決めて、正直、ボトルイメージのみで選んだ香り。

 

ムーンライト イン ヘブンは「月明かりが導く、楽園への逃避行」をテーマにしている。

 

トップはシトラス・フルーティ。

スプレーすると一瞬、グレープフルーツの爽快なシトラスが弾け、少し遅れてから香ってくるマンゴーのようなトロピカルなフルーティと融合していく。

非常にメンズ的なキレと、リゾート地を思わせる甘いフルーティが激突したようなオープニングだ。

 

ミドルはアロマティック・フルーティ。

上の方は、グレープフルーツやレモンの果皮感が強く残った状態に、ピンクペッパーを加えたような爽やさ。

下から、少しだけマリン調のアロマティックな香りと、トルピカルなマンゴー。

とても不思議な香りだ。

爽やかさ、みずみずしさ、甘さが鼎立した状態に、さらに麦のような芳ばしいウッディ調とミルキーなココナッツが香る。ピラミッドを見るとライスとあるが、確かにライスミルクのように感じる。

 

ベースはウッディ・バルサミック。

乾いたシトラスやマンゴーと力強いアロマティックなベチバー、その対比としてココナッツとトンカビーンの甘さ。ピンクペッパーがアロマティックとバルサミックスの対比を繋げているような役割に映る。

最後はベチバー、うっすらとトンカビーンの甘さと柔らかいムスクの香りに。

 

実際に肌に乗せると甘さが2割増しするが、かなりアロマティックなベチバーも力強く香って、6時間以上持続する。

 

リゾート地を連想させるトロピカルフルーツとココナッツと、メンズ的なアロマティックシトラスをミックスさせたような香り。フルーティをベースに、アロマティックなウッデイも強いため、やはり夏の夜に似合う香りだと思う。

女性と男性、明るさと暗さの対比に、コンセプトの「月明かりが導く、楽園への逃避行」という言葉が重なる。さすがはキリアン、ありそうでない香りだと思う。

月明りのような青色に輝くボトルの色から、もう少しアロマティックシトラスを強めた方がさらにイメージに合うのではと感じるも、これくらいの方が楽園感や非日常感が際立つのかも知れない。

フレグランスはまず香りが第一と感じながらも、ボトルが格好いいと心がなびいてしまう。

キリアンは割と手を出しやすい価格帯でトラベルスプレーセットがあり、デザインが変更されてしまったが、特に以前のムーンライト イン ヘブンのトラベルケースは小物としての完成度が高く、持っていてテンションが上がる。正直、これが欲しくてムーンライト イン ヘブンを選んだといっても言い過ぎではない。

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「月明かりが照らし出す、禁断の楽園への扉の前へと貴方を誘い出す」

私にとってムーンライト イン ヘブンは、まさに禁断のキリアンの世界に誘い出されて、とうとう足を踏み入れてしまった思い出の一本だ。