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ディオール:ジャドール オー ルミエール

DIOR

J'ADORE EAU LUMIERE(2016年)

調香師:フランソワ・デュマシー

おすすめ度:★★★★☆

 

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(公式HPより)

 

ディオールの代表作ジャドール。

ジャドールに限らず、ミス ディオールなど製品の出入りが多いディオールのフレグランスたち。いま現在、ジャドールにはどんな香りがあるのか、その全てを把握できてはいないけれど、2016年に発売されたジャドール オー ルミエールはむしろオリジナル(リメイク版)よりも完成度の高い、素晴らしい香りだと感じている。

(念のため、公式HPをチェックしたところ、良かった、ちゃんとあった)


ジャドールは、1999年に登場して以来、世の女性を、そして男性を魅了し続ける香りだ。
改めて、ジャドールの良さとは何だろうと考えてみる。
ジャドールは、存在感のあるホワイトフローラルにサンダルウッドを組み合わせた女性らしい香りを骨格に、ウォータリーなグリーンフルーティや、爽やかなシトラスを加えることで、季節やシーンを問わない非常に使いやすい香り。嗜好性が高く、輝くような高級感もあり、それでいてキャラ感も備わった、とてもバランスの良い香りだと感じる。

そしてオー ルミエールは、ジャドールの骨格となっていたホワイトフローラルやグリーンやウッディを要素を残しつつ、そのホワイトフローラルをより明るく軽やかに、そしてシトラスを際立たせることでよりフレッシュな春夏向けな香りにアレンジされている。

トップはシトラス・フローラル。

スプレーするとまずレモンのキリッとしたシトラスから、ブラッドオレンジのビター感が増していく。そこにジャドールらしい、グリーンを効かせたオレンジフラワーを加えることで、シトラスが弾けるようなジャドールの香り。


ミドルはフローラル-グリーン。

マグノリアやネロリが顔を出すことで、みずみずしく輝くようなフローラル感を増して、さらにプチグレンのようなザラザラとしたグリーンノートを重ねることで、全体的には爽やかなフローラルグリーンの香りに。とてもジャドールらしい香りだと思う。そこにダマスクローズの甘さが女性らしい華を与える。

ベースはウッディ-ムスク。

ローズ、グリーンの残香に、ジャドールらしいサンダルウッドと柔らかムスクを加えながら、ドライダウンしていく。

 

トップからミドルの軽めの香りは1時間くらいで飛んでしまうが、フローラルグリーンの残香とサンダルウッドの組み合わせの淡い香りは3~4時間持続する。

高温多湿の日本の夏には、このオー ルミエールの方がジャドールらしいキャラクターが引き立つのではと感じる。


改めて使ってみると、やはりジャドールよりもオー ルミエールの方が、ジャドールの輝くような美しいボトルのイメージに近いのではと思う。
というのも、ジャドールのみずみずしさ、嗜好の良さは、すっきりしたペアやウォータリーなメロンなどのフルーティが担っているが、時間が経ってくると、このメロン様ウォータリーがモタッと重くなり、せっかくのフローラルの輝きを曇らせてしまい、結果、フローラルの粗さが少々鼻に付くようにも感じる。

一方でオー ルミエールは、フルーティを排除して、シトラスやグリーンをより立たせることで、ジャドールの欠点が上手く調整されているため、フローラルの輝きをより楽しむことができる。何より、ビターオレンジからプチグレン、ネロリ、サンダルウッドの流れがとにかく美しい。

特にネロリオイルは、厳選されたフランス ヴァロリス産を使用しており、その輝くような明るさは、ジャドールのコンセプトそのものだと感じる。
 
ジャドール オールミエールは、フランカーがオリジナルを越えた、数少ない名作だと思う。