CHANEL
LES EXCLUSIFS DE CHANEL EAU DE COLOGNE
調香師:ジャック・ポルジュ
おすすめ度:★★★★☆


(公式HPより)
シャネルの最上級ラインのレ ゼクスクルジフ ドゥ シャネル。稀少なエッセンスと、精緻で巧妙な調香が組み合わせられたシャネルのクリエイションの結晶。
ココ・シャネルとともに香水のクリエーションに関わった、初代調香師エルネスト・ボーによって創り出された香りや、現調香師が最高峰として相応しい香りが集められたコレクションだ。
なぜそんな厳選されたコレクションの中に、オーデコロンがあるのだろうか?
もともとシャネルには、オーデゥコローニュ(1924年)があった。2007年に3代目専属調香師のジャック・ポルジュによって再解釈されたオードゥコローニュを、なぜわざわざ最高峰ラインのレ ゼクスクルジフに加えたのか、それはこの香りに触れてみると納得する。とにかく素晴らしいオーデコロンだからだ。
例の世界香水ガイドでも「パーフェクト コロン」「地上で最高のコロン」と評されている。
トップはシトラス・グリーン。
スプレーした瞬間、苦みの一切にない、クリアでフレッシュなレモンの真っ黄色な香りに包まれる。
そして、マンダリンやベルガモットがシトラスらしいオレンジやグリーンのカラフルな色を添えてくる。このレモンがフレッシュなため、マンダリンやベルガモットの甘さがパステルカラーのように映える。
さらにグリーンノートがシトラスの明るいカラーに、みずみずしい水滴を演出するような、喜びの5分間。
ミドルはグリーン・フローラル。
マンダリンやベルガモットのシトラス感の後ろから、グリーンの強いペチグレンと、シトラスに近い、とても爽やかなネロリの香りが広がる。
通常ペチグレン、オレンジの枝葉から抽出されるため、グリーンと湿ったウッディのような表情を見せる。ところがこのプチグレンはとてもクリアで、透き通るようなネロリにみずみずしさを与えている。
最初はネロリをリードしていたプチグレンが、次第にネロリのフローラル感が増すことで、今度はプチグレンのウッディの側面が、ネロリにナチュラル感を添えていく。ここまで至福の1時間弱。
ベースはムスキー。
ネロリやプチグレンの穏やかな残香と、トンカビーンを加えた甘さのある柔らかいムスクが、とても上品に香る。さらに、ピンクペッパーのようなスパイシーな香りをほんのわずか添えることで、コロンらしいフレッシュな印象を残した香り。安らぎの3~4時間。
夏はもちろんのこと、輝くようなフローラルもしっかり香るため、春から夏に似合う香りだと思う。
レ ゼクスクルジフ オードゥコローニュは、最高級のマテリアルと調香師の技が交錯した、シャネルだからこそ実現できた「極上のオーデコロン」。
ハーバルノートを削った、いわゆる古典的なシトラスコロンとは別次元な、とてもフレッシュで、クリアなネロリ、ムスクが香るシャネルらしい女性的なオーデコロンに仕上げられている。
もともとオーデコロンはトップを楽しむ香りで、水のようにバシャバシャ使うタイプが多い。でも、このオードゥコローニュはトップ、ミドル、ベースと香りが緩やかに変化するため、上半身に2プッシュでちょうど良いのではと思う。
春から夏の朝、シャワーを浴びた後にオードゥコローニュのシトラスシャワーを浴びる。一瞬で気持ちが晴れやかになる。こんな贅沢な時間はなかなか味わえない、至極の瞬間。