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ミラー ハリス:ティートニック

MILLER HARRIS

TEA TONIQUE(2015年)

調香師:リン・ハリス、マチュー・ナルダン

おすすめ度:★★★★☆

 

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(公式HPより)

私は紅茶、緑茶を飲まないにも関わらず、いわゆるティノートの香りは好きで、定期的に購入してしまう。なかでも、このミラーハリスのティートニックは、とてもバランスの取れた優れた香りだと思う。

爽やかさ一辺倒ではなく、かといって紅茶感が強いわけでもなく、グイグイ迫ってくるようなキャラクターがあるわけでもない。でも使うたびに本物感を感じる香りのため、これからも愛用していきたいティフレグランスの一本だ。

 

過去、ミラーハリス(久々にミラーハリスの日本の公式サイトを見てみると、今では3品となってしまった透明ボトル)の香りをいくつか使ってみて、このティートニックのような、嗜好性が高く、それでいて実際に肌に合わせてみると、個性が増すような良作が多い。

調香師リン・ハリスによって2000年にロンドンに誕生した、モダンブリティッシュの世界観を体現し新たな革新を遂げているメゾンフレグランス。厳選された植物由来の原料(=ボタニカル)へのこだわりは、創業当初から決して変わる事の無い<ミラー ハリス>の真髄です。天然香料を贅沢に使用したフレグランスは香料そのものの香りを活かし、人の肌をキャンバスに見立てつくられた為、肌になじみやすいような香りが特色です。(公式HPより)


トップはシトラス・グリーン。

爽やかなレモンと、ほんのり甘いベルガモットの香り。そこにペチグレンにネロリの明るさを少し加えたグリーン。このシトラスとグリーンの組み合わせがとても嗜好が良く、気持ちが良い。

 

ミドルはグリーン・スパイシー。

明るいシトラスグリーンの香りを残しながら、きれいなベルガモットを効かせたティノートがグッと香り出す。このみずみずしいティノートに、ナツメグのフレッシュなスパイスが、まるでアイスティーのような冷たい印象を与える。
さらにその奥からは芳ばしいスモーキーなティが顔を出してくる。湿ったような苦味のあるマテの香り。そこに乾いたバーチの香りがザラっとした深みを増している。

 

ベースはグリーン。

やがて、ベルガモットのみずみずしさ、メタリックなグリーン、スモーキーなマテが、それぞれ突き出すことなく、調和してまとまっていく。最後は、苦味や渋みが急に晴れると、オ パフメのような柔らかなグリーンティの香りでドライダウンしていく。


爽やかなレモンティが30分、スモーキーを増したティが2時間、そこからグリーンを効かせたティが4時間くらい持続する。

 

爽やかな冷たさのあるティと、スモーキーでビターなティの二重奏。ムエットではシトラス、グリーン、ティー、スパイシー、ウッディが複雑に香りながらも、シャープやグリーンやシトラスが主張するため、クールな印象に映る。

実際に肌に乗せてみると、朝に使うとほぼムエットの香りが再現されるのに対し、夕方に使うと汗と混ざってか、こもったマテの苦味やバーチが強く出てる。夜は爽やかさよりも、熱帯夜の湿気に絡んだような、深みのあるティノートの方が似合うため、結果オーライ。ところが時間が経ってくると、今までの湿気は何だったのかと感じるくらい、パッと香りが晴れるところが気に入っている。

ティートニックは、まるでイギリスの田舎町の家やロンドンのカフェで飲まれている、幾層にも重なり合う香り高い紅茶のようなテイストを彷彿とさせる、魅力的で少しだけ気まぐれなフレグランスとのこと。実際に使ってみると、この少しだけ気まぐれなという点に納得できる。