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メゾン クリスチャン ディオール:エデン ロック

DIOR

MAISON CHRISTIAN DIOR EDEN-ROC(2021年)

調香師:フランソワ・デュマシー

おすすめ度:★★☆☆☆

 

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(公式HPより)

 

あくまで個人的な見解ではあるが、このエデンロックはあまりおすすめできない香りだと思う。

嗜好が良くないうえに、日本の夏だとキレイに香ってくれない。

 

エデンロックは、フランスのリビエラに佇む伝説的なラグジュアリー ホテル「オテル・デュ・キャップ・エデン=ロック」に捧げる、燦々と陽射しが降り注ぐ贅沢な地中海の楽園、アンティーブ岬をイメージして創られた香り。

舌の先端に染み込むように残る小さな塩の結晶、太陽に熱されたブロンズ肌、涼しい木陰をもたらす松の木といった地中海の魅力が表現されているようだ。

 

「海からホテルへ到着する光景をイメージしながら、新作フレグランス「エデン ロック」を創りました。塩、太陽、白い岩、青々とした緑の庭園がインスピレーションの源。これはアンティーブ岬の類いまれなロケーションを描写した香りです。」フランソワ・ドゥマシー(公式HPより)

 
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(公式HPより)

 

トップはシトラス・グリーン。

スプレーすると、フレッシュなレモン、ジューシーなオレンジ、みずみずしいベルガモットのシトラスミックス。そこにピリッと硬いハーバルグリーン調の香りが鼻を刺激する。この硬い香りがミネラルやシーソルトの香り思われるが、はっきり主張せずに寄り添っているようなオープニング。

 

ミドルはマリン・フローラル。

鼻先ではシトラスとシーソルトの白イメージの爽やかな海風が香り、奥から重いマリンをまとったパウダリーなジャスミンが飛び出してくる。

このJOYのようなシトラスとはジャスミンの組み合わせがとても苦手で、粉っぽさ、ケバさ、そして殺虫剤のような鼻付きの悪い香りが、はっきり言ってしまうととても下品で、さらにマリンやラクトンの暗さや重さがそれを助長させているようにも感じる。

ディオールのジャスミンは、あの名香グランバルの華やかさや透明感を忘れてしまったのだろうか。

 

ベースはアルデヒド・ウッディ。

上の方はシーソルトやパウダリーなジャスミンを残しつつも、みずみずしさを失ったマリンの粉っぽさや重さに、ドライなウッディや、うっすらとミルキーなココナッツを重ねた香り。そこからジャスミンが抜けていくと、パインツリーのツーンとしたアロマティックな硬さを立たせ、奥からはアルデヒドやムスクのパウダリーな白さでなんとかまとめている。そこからバルサミックの淡い甘さを漂わせながドライダウンしていく。

 

大きな起伏のない大人しい香りが、3時間程度持続する。

 

エデンロックはフランソワ・デュマシーの悪いところが出てしまったように感じられてならない。
トップの太陽を思わせるようなキラキラと輝くシトラスと、ツーンとしたミネラルまではとても良い。
ところが、そこからマリンの暗さとジャスミンの粉っぽさが、トップと合っておらず、どんどん嗜好を落としていってしまうような香りだと思う。
 
ディオールのシトラスとマリンは合わない(コローニュロワイヤル)、シトラスとジャスミンは合わない(JOY)。特に高温多湿の日本の夏に肌で合わせてみると、シッカロールのような粉っぽい重さが目立ってしまい、とても嗜好が悪い。おそらく、フランスのリビエラでは、そんなことはないだろうが。
 
一方で、ドーナツのデザインをあしらった巾着や、ドーナツ型のムエットはとても可愛らしく、エデンロックの世界観を演出している。