JO MALONE LONDON
WOOD SGAE & SEA SALT COLOGNE(2014年)
調香師:クリスティーヌ・ナジェル
おすすめ度:★★★★☆
(公式HPより)
ジョーマローンのウッドセージ&シーソルトは素晴らしい香りだと思う。
次から次に登場してくる新しいフレグランスに目移りするなかで、このウッドセージ&シーソルトに限っては、年々好き度が増していくような、とても貴重な存在。
もちろん、私自身の嗜好も、そしてトレンドも大きく変わってきた。最初、弱いなぁと感じていたこの香りが、今では実に心地が良い。そして最近こういう淡い香りが増えてきているが、似たような香りが見当たらない。クリスティーヌ・ナジェルの天才性と先見性はすごいと思う。
トップはシトラス・ソルティ。
スプレーすると、フレッシュなグレープフルーツの香り。そのグレープフルーツの果皮のスパイシー感が、アンブレッドシードのまろやかな甘さや白さと重なることで、はっきりソルティな雰囲気を感じられるようなオープニング。
ミドルはマリン・ソルティ。
そんな柔らかいシトラスソルティを、軽めなマリンノートがみずみずしくしていく。あまり主張しないこのマリンが、ソルティを引き立てせ、さらにベースから香ってくるウッディを磯っぽい印象に見せている。
ベースはアロマティック・ウッディ。
ピリッとしたソルティに、セージの硬さを添えることで、アロマティック感が出てくる。そのアロマティックをトップから香っていたアンブレッドの淡い甘さや、磯の雰囲気を残したウッディムスクで包み込み、そのままドライダウンしていく。
トップのグレープフルーツを除けば、大きく香りは変化せずに、塩や海を連想させるような白く淡い香りが2〜3時間持続する。
ウッドセージ&シーソルトは、アクティブな夏の香りの対局にある香りで、軽く海で泳いだ後、優しい海風に包まれながら、ホテルのプールサイドでのんびりと読書でもするような、ゆるやかな休日の香り。
そして、個人的にはあまり得意ではないマリンノートを、フレッシュなソルティやシトラスと、柔らかいアンブレッドシードやウッディムスクで挟み込むことで、ナチュラルな印象に仕上げている。
ナチュラルなマリン、そしてゆるやかに夏の海を感じさせるような香りはあまりないため、夏の休日のふと手を伸ばしたくなる香り。
そしてこの繊細な香りを楽しみたいため、重ね付けはしたことがない。