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シャネル:ジャージー

CHANEL

LES EXCLUSIFS DE CHANEL JERSEY

オードゥトワレット(2011年) 

 調香師:ジャック・ポルジュ

オードゥパルファム(2016年)

 調香師:オリビエ・ポルジュ

おすすめ度:★★★★★

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画像出典:公式HP

 

ジャージーは「自由が香る」をコンセプトにした香り。

ココ・シャネルは、それまで水兵のセーターに用いられていたジャージー素材を女性のファッションに取り入れることで、新たなエレガンスを提唱した。

ジャージーの香りは、メンズフレグランスによく使用されるラベンダーの香りを、自由な発想でレディースに使った。それもアクセントではなくメイン使いとして。選ばれた素材はカーララベンダーだ。


トップはアロマティック。

トワレの香りをスプレーすると、カチッと硬質なラベンダーでありながら、ラバンジンのようなハーバル感ではなく、うっすらと甘さのあるアロマティックな香りが漂ってくる。ジャージーの特徴は何と言ってもこの透き通るようなこのラベンダーだ。奥からミントを思わせるグリーンが少し冷たく香ることで、ラベンダーの香りをやわらかく見せている。

 

ミドルはアロマティック・フローラル。

硬質なラベンダーのアロマティック感をしっかりと残しながら、甘さの部分が、グリーンやトンカビーンを合わせた白イメージフローラルに入れ替わっていく。じっくりとかぎ込むと、ジャスミンサンバックのようなみずみずしいフローラルにも感じ取れる。このミドルはカチッとした硬さと、まろやかな甘さがどちらにも偏らないような、バランスが取れた素晴らしい香りだと感じる。

 

ベースはバルサミック・ムスキー。

硬さのあるラベンダーを残しながら、クリーミーなバニラムスクの甘さが全体を柔らかく包み込んだような香り。次第にクリーミーな印象から、バニラムスクがパウダリー感を増していくが、ラベンダーの硬さも残っているため、清潔感のある香りが最後まで続く。

 

シングルノートに近く、どちらかといえば、トップとベースの2段構成の香り立ちで、アロマティックなラベンダーがリードする香りは2時間程度、そこからラベンダーの硬さに包まれたバニラムスクの香りが4~5時間持続する。


香りのイメージは白で、季節を問わない香りではあるが、秋冬に使うことが多い。ラベンダーとバニラを重ねたシンプルな香りなのに主役はバニラで、今までにない清潔なバニラの香りを堪能できる。そしてこの清潔なジャージーバニラの甘さは、空気が引き締まった秋冬にとても映える。

 

トワレとオードゥパルファムの全体的な香りの骨格は、ラベンダー、バニラ、ムスクとほぼ変わらないが、トワレの特徴だったアロマティック感にクリーミーな深みを持たせた香りがオードゥパルファムで、実際に肌に合わせてみると、香り方は異なってくる。

 

トワレは、ラベンダーの香りがカチッとした硬さがありながらもシャープ過ぎず、甘さも白を連想させるような香りのため、シトラスのような爽やかな系な清潔感とは異次元の清潔感の溢れる香りで、とても使いやすく、使用頻度も高い。

 

一方、オードゥパルファムでは、トワレにはなかったヘリオトロープのコクのあるフローラルな甘さや、よりクリーミーなムスクが加えられたことで、ジャージーの特徴のアロマティック感の柔らな深みを持たせることで、ゼクスクルジフにふさわしい高級感が備わっている。

 

拙いイメージとしては、トワレもオードゥパルファムも同じ白いイメージで、トワレはパリッと糊の効いた白ワイシャツに対し、オードゥパルファムは表面は硬さがありながらもふわっとした柔らかさのある厚手のホテルタオルのように映る。

 

父ジャック・ポルジュが創り出した独創的でもやや荒削りな香りに、息子オリビエ・ポルジュがラベンダーとバニラとムスクに一体感を持たせて高級感を与えた。コンセプトは同じであるが、それぞれ素晴らしい香りだと思う。

とはいえ、かつてココ・シャネルが新たな素材をファッション界に提唱したように、荒削りではあるけれどトワレの方が、今までにないクールで清潔なバニラの香りが表現できていると感じているため、トワレを使うことの方が圧倒的に多い。