フレグランスアッセンブル

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2021年にメンバー入りした香り5選

気が付くともう年の瀬ですね。

年々、時間が過ぎていくのが早くなっているなあと感じている。

 

それはきっと、情報が多過ぎて(家族のこと、仕事のこと、親のこと、お金のこと、将来のことなど、年々対応しなければならない事柄が増えてくる)処理しきれずにどんどん忘れてしまうからではと思っている。

 

そんななか、日々の出来事や感じたことを漠然と記憶として留めておくのではなく、写真やツイートや文章など、記録として残しておくことは大切だなあと感じている。

特に重要なのは文章で、そのときに感じたことをそのまま残しておける。同じ香りでも、食事でも、映画でも、小説でも、そのときおかれている状況によって感じ方が異なるから。

 

そして、2021年も多くのフレグランスに出会った。名作もあったし、駄作も多かった。新作もあれば往年の名香もあった。

この1年間を振り返りながら、今年これは買って良かったと思えるフレグランスを5作品選んでみた。


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1.ルイ・ヴィトン:オン ザ ビーチ(2021年)

毎年、春に発売されるヴィトンのコロンシリーズを楽しみにしている。

春秋冬は気候の変化が大きく、季節を感じながら、今日はどのフレグランスにしようかとと、選ぶ楽しみが尽きることはない。

でも夏は違う。ただただ蒸し暑い日が続くため、放っておくと、毎日同じ香りを使ってしまう。そのため、あらかじめ今年の夏はこの香りを使おうと事前にオーダーを作ることにしている。

3月に発売されたオンザビーチはシトラスフレグランスの傑作だと思っている。

夏のビーチをイメージした香りであるものの、マリンやオゾンやココナッツではなく、終始、柚子の爽快感、ほろ苦い甘さ、アロマティックやフローラルで表現していた香り。

ビーチの上、輝く太陽、波しぶき、そしてジリジリ焦がされる砂の余熱。
でもこのオン ザ ビーチの香りは涼しげで、風通しが良い。ここのビーチにはなぜか竹林があって、さらに風鈴の音色まで聴こえてくるような雰囲気がある。夏の愉しみを再認識させてくれるような香りだと思う。

 

 

2.ゲラン:ダービー(2012年)

今年はゲランが忙しなかった。統廃合が多かった。私の場合、その関心は新作ではなく、廃盤になってしまう作品に注がれることが多い。というのも過去、あれを買っておけば良かった(泣)という後悔が多いから。

最初は正直、ダービーにはそれほど惹かれていなかった。ダンディで渋い香り。この香りを纏うのはもっともっと先のこと、、、と考えていた。

6月末、でもとりあえずチェックだけはしておこうと銀座に行ってみた。

肌に乗せてみると、とてつもなく良い香り!

数日考えて、これは将来マストアイテムになると考え、電話してみると、なんともう完売したとのこと!

焦った!!

結局、帝国ホテルでラスト1本を買うことができた。今年1番の香りになると見越して「2021」を刻印してもらった。

改めて香りをみると、往年のゲランの素晴らしさが色濃く出た名作だと思う。

フレグランスの多くは、その香りのピークがトップか、せいぜいミドルが主流となっている。ところがダービーは、トップよりミドル、ミドルよりベースとどんどん香りが良くなっていく。近年の香りは、ベースに進めば進むほどシンプルになっていく香りが多い。

ところがクラシカルな香りは、時間の経過とともに、香りがなめらかにそして複雑になっていく。ダービーのベースのスパイシーやフローラルが絡み合ったウッディレザーの香りは素晴らしく、2021年に買った香りのなかでも図抜けて良い香りだと思う。

 

 

3.フレデリック・マル:ユヌローズ(2003年)

9月、念願のユヌローズを買った。ユヌローズはずっと欲しかった香り。

ところが、ユヌローズも廃盤になり、別の名前になって再販されるという。過去、名前が変わる=香りも変わるケースがほとんどのため、あわてて手に入れた。

 

ユヌローズは孤高のローズの香り。薔薇という文字が似合う。

なぜなら、季節と調和することを拒み、どんなシチュエーションでも真っ赤な薔薇を咲かせてくれるから。
真っ赤な薔薇と、薔薇の花弁1枚1枚の凹凸や花の水気、青々とした茎や鋭い刺、さらには土の匂いや湿り気まで、薔薇と薔薇周辺の機敏全てを捕まえた香り。着飾ったローズの花束ではなく、野に咲く薔薇の強さと美しさが表現された香りだと思う。

 

 

4.ルイ・ヴィトン:ステラータイムズ(2021年)

ヴィトンは新作は毎回けっこう直前に発表される。ところがヴィトンの最高級ラインのゼクストレコレクションは、10月発売の3ヶ月も前の、確か7月頃に発表されたと思う。

最初、この新作コレクションのプレスを読んだとき、複雑な心境だった。価格がなんと77,000円。楽しみ、でも実際にかいでしまうとおそらく買ってしまう。買ってしまうと、また買うフレグランスのボーダーラインが上がってしまう。

そして10月、恐る恐る表参道にいくと、ジャック・キャヴァリエが提示してきた、新しいフレグランスの表現に酔いしれた。買う買わないではなく、どの香りにするか悩んでしまうほどに。

結果、ステラータイムズを購入した。嬉しかったのだろう。店を出て直ぐにツイートしたのは、後にも先にもこれだけだと思う。

来年も益々、ジャック・キャヴァリエの魔術に惑わせられると思うと恐ろしいな。

 

5.キリアン:プレイング ウィズ (2013年)

毎年10月、フレグランスファンにとっての楽しみはサロンドパルファンだ。

ほぼほぼチェックして刺さった香りは、ゲランのキャディーヌの復刻と、キャロンのタバックエクスキ。

キャディーヌはヴィトンの出費が大きく、まったく手を出せなかった。ゲランらしい傑作だと思う。

タバックノワールも良かったけれど、9月に買ったルラボのタバ28と重なったため見送った。でもエクスキはいずれ買うと思う。

それよりも、伊勢丹の売場でキリアンのラインナップが激減していたことが気になった。キリアンは代理店が変わったことで、扱うアイテムも大きく変わる可能性があるのではと思った。頭の中は新作ではなく、既存の香りに向かった。

年々、フルーティの香りが好きになっている。爽やかなアップルやピーチではなく、酒のようなフルーティの酸味や深み、アロマティックな甘さに。

そういった意味でキリアンはトップのフルーティの印象付けが巧みだ。プレイング ウィズ ザ デビルもそんな1本。

今のところ、当面はキリアンを香りを揃えていこうと思っている。

 

 

2021年は新作と廃盤に揺れた1年だった。

そしてフレグランスは香りそのものを味合うとは別に、出逢いのドラマがある。

一目惚れもあれば、悩んだ挙句の告白、さらには大人らしい計算や駆け引きもある。

果たして来年はどんなドラマが待っているのか。

フレグランスを巡る旅は続く。