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アトリエコロン:ベルガモット ソレイユ

ATELIER COLOGNE

BELGAMOTE SOLEIL(2016年)

調香師:不明

おすすめ度:★★★☆☆

 

画像:公式HP

 

アトリエコロンは優れたシトラスの香りが多い。

まだアトリエコロンが日本で販売されていた頃、様々なシトラスの香りを楽しんでいたが、日本から徹底してしまうと不思議と手に取る機会が減ってしまった。個人的には、このアトリエコロンとクリードは日本再上陸を特に望むブランドでもある。

 

アトリエコロンの創業者シルヴィー・ガンターとクリストフ・セルヴァセルは、伝統的なオーデコロンに着目し、独自の研究を重ねることで、コロンのフレッシュ感と、持続性や奥行きのあるフレグランス「コロン・アブソリュ」を完成させた。

本来なら、数分で飛んでしまうトップの香りが、しっかし持続する技術。

もちろん、オーデコロンと比較して賦香率の高さもあるが(ベルガモットソレイユは賦香率15%)、シトラスのフレッシュ感は賦香率に関係なくすぐに飛んでしまう。シトラス好きにはたまらない技術だと思う。

 

数あるアトリエコロンのコロン・アブソリュのなかでも、ベルガモットソレイユはクラシカルなハーバル・シトラスコロンの面影が強く感じられるため、当時、特に気にっていた使っていた香り。

 

トップはシトラス・ハーバル。

スプレーすると、フレッシュでみずみずしいベルガモットと、オレンジのピリッとした強い苦み。特にこのベルガモットはフレッシュだけでなく、果実のようなジューシー感が含まれている。

そのシトラスミックスの脇を、ラベンダーのハーバル感や、カルダモンの青っぽい硬さで固めることでナチュラル感を与え、さらにベルガモットの甘さを引き立たせるようなオープニング。

 

ミドルはハーバル・スパイシー。

ベルガモット自身のフレッシュ感はすぐに減退していく。そのベルガモットの果皮の苦みや酸味に、フレッシュなハーバル感やカルダモンのみずみずしいスパイシー感、さらにはジャスミンやオレンジフラワーのホワイトフローラルの明るさを添えることで、ベルガモットを思わせる香りがしばらく続いていく。

 

ベースはウッディ・アーシー。

そのミドルの残香に、アンバーの甘さ(果実感)、オークモス(フレッシュ感)を加えることで、ベルガモットの香りをさらに持続させていく。そこにアロマティックなベチバーを合わせることで、クラシカルなシトラスコロンの面影のままドライダウンしていく。

 

持続時間は3~4時間くらい。みずみずしいベルガモットやビターなオレンジを香りが最後まで続いていくような

 

アトリエコロンのシトラスは、ゴールから香りを組み立てている作品が多い。

土台はアロマティックなウッディと甘めのアンバー。そこにキリッとしたオークモスやスパイシーでシトラスのワタのような香りを乗せ、さらにフローラルで明るさやみずみずしさを乗せていく。そして最後にベルガモットやオレンジを乗せて完成させている。

結果、トップから香りの印象が変わらずに、クラシカルなシトラスコロンの香りが最後まで楽しめるのではと感じている。

ビターなオレンジ、カチッとしたハーバル、アロマティックなウッディ。メンズらしいクラシカルなシトラスコロンの香りを備えつつも、ベルガモットのみずみずしさやフローラルの明るさが、メンズコロンとしてまとめない。この点がとても好みで、夏場のオンタイム時に出番の多かった香り。