LOUIS VUITTON
DANS LA PEAU(2016年)
調香師:ジャック・キャヴァリエ ※廃番
おすすめ度:★★★★★
画像出典:公式HP
ダンラポーはレ パルファン ルイヴィトンの初期7作品の3番目の香り。
そして私にとっては、2017年に購入したこのダンラポーがルイヴィトンの香りの扉を最初に開いた香り。
初めてダンラポーの香りをかいだ時の衝撃は忘れられない。
あれからわずか4年で、これほどまでヴィトンの香りにのめり込み、これほどの頻度で使うことになろうとは、当時からすれば想像できなかった。
初期7作品は、すべての香りにレザーノートがアクセントとなっているが、特にこのダンラポーはレザーに特化した香りになっている。
ジャック・キャヴァリエはヴィトンの革工場を訪れた際、その革の香りに感動したという。そして何とかこの革そのものの香りを再現できないかと試行錯誤した結果、実際のなめし革からオイルを抽出することに成功した。
ダンラポーは、このレザーエッセンスの使用した唯一の香りで、ジャック・キャヴァリエがヴィトンに捧げるために創られたフレグランスだと感じている。
トップはフルーティ・レザリー。
スプレーすると、アプリコットのフレッシュな酸味や甘さ、そして雑みのないクリアなレザーが香り立つ。フルーティの甘さとレザーが見事に調和することで、革製品のあのラグジュアリー感が備わったような唯一無二のフルーティの香りは、素晴らしいとしか言い表せない。
ミドルはフローラル・レザリー。
トップのラグジュアリーフルーティに、ジャスミンサンバックが透明感のあるフローラル感を与えていく。
このみずみずしいフローラルフルーティに、アーシーなナルシスが加わることで、レザーをナチュラルな印象を添えていく。
ベースはムスキー・レザリー。
フルーティフローラルの残香に、クリーミーなムスクが加わり、レザーを艶のあるスエードのような香りに導き、そのままドライダウンしていく。
みずみずしいフローラルフルーティが2時間くらい、そのみずみずしさを残したスエードの香りは5~6時間持続する。
天然のレザーエッセンスは、通常のウッディやアンバーやケミカルを合わて調合されたレザーノートとは異質の香りで、それらの断片を見せることなく、常にフルーティやフローラルに寄り添っていくため、真夏以外は使用できる。
終始レザーの香りを漂わせ、ミドルのナルシスが少し乾いた印象のため、男性でも違和感なく使える香りだと思う。でも、実際に肌に合わせてみると、やはり女性に使ってほしいなと感じてしまう。
フルーティの甘酸っぱさ、フローラルのみずみずしさ、さらにはレザーとムスク。これらが体温に触れると、完璧なまでに女性の肌の香りと重なる。
そう、ダンラポーとは、肌の内側の意。
たしかに、ダンラポーの透き通るようなクリアなレザーと、柔らかいムスクの競演は、肌になじんで、肌の内側に溶け込んでいくようだ。ここに甘酸っぱいフルーティやみずみずしいフローラルが寄り添った、究極の肌の香り。
そして拙い妄想を広げるならば、、、
夜中ふっと目を覚ます。まどろみながら横を見ると彼女が寝ている。
本能的に温もりを求めて、安らかに寝息を立てている彼女のことを、後ろから抱きしめる。
その時の髪の香り、肌の香り、体温の香りを合わせたような、至福のダンラポーの香り。