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ラルチザン パフューム:プルミエ フィグエ

L'ARTISAN PARFUMEUR

PREMIER FIGUIER(1994年)

調香師:オリヴィア・ジャコベッティ

おすすめ度:★★★☆☆

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画像出典:公式HP

 

ラルチザンの代表作プルミエフィグエは、世界で初めてイチジク(フィグ)をテーマとしたフレグランスとして有名だ。

個人的には、あまりフィグの香りが好きでないのにもかかわらず、このプルミエフィグエだけは、男性的なキリッとした印象のグリーンやウッディと、ココナッツのようなまろやかな甘さのバランスが良く、たまにかぎたくなる香りの一つ。

 

トップはグリーン・フルーティ。

スプレーすると、強いリーフグリーンが鼻を差す。しかし、すぐにフィグの滴るような、フルーティの淡い甘さが、鋭いグリーンをみずみずしい印象に整えていくようなオープニング。

 

ミドルはフルーティ・グリーン。

そのグリーンとフルーティの立ち方が、少しずつ逆転していく。

リーフグリーンの青っぽさを残しながら、フィグにフレッシュなアーモンドの甘さが加わることで、グリーンよりも前の方に出てくる。このフィグとフレッシュアーモンドの組み合わせが特に好みで、クセになる香りだと思う。さらに奥からは、ミルクを思わせるクリーミーなコクのある甘さが、ココナッツのように白さで染めていく。

 

ベースはウッディ・フルーティ。

青みがかったフィググリーンは、ドライなサンダルウッドが合わさることで深みを増し、フィグはココナッツにピーチの甘さが加わり、少しカラフルな印象に変わる。時間が経つと、今度はフルーティなフィグの甘さよりも前に、サンダルウッドやセダーウッドがナチュラル感を与えながら、ドライダウンしていく。

 

フレッシュなフィググリーンが1時間少々、そこから熟したようなフィグのフルーティな甘い香りが4~5時間持続する。

 

コンセプトは「南仏のきらめく日の光に、イチジクの葉が香るそよ風。昼下がりの庭園、イチジクの木の下で眩しい太陽を見上げる」、そんなシーンをイメージした香りとのこと。

個人的には、ムエットの方が、フィグの葉の青っぽい風のように映り、フレッシュなアーモンドとフィグミルクの甘さが、太陽の熱に火照った体温のように感じ、ウッディフルーティが木々のイメージと重なるのではと思う。

逆に肌に重ねると、特にココナッツやフルーティの甘さが強くなるため、南仏というよりも南国の香りのように感じてしまう。

 

そのため、コンセプトのような香りを堪能したいときは肌に乗せず、ムエットやハンカチに付けてみたり、そのままスプレーして、部屋全体をフワッと香らせる使い方が気に入っている。