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ザ トラジェディ オブ ロード ジョージ(ジョージ卿の悲劇)

PENHALIGON'S PORTRAITS COLLECTION

THE TRAGEDY OF LORD GEORGE(2016年)

調香師:アルベルト・モリヤス

おすすめ度:★★★☆☆

 

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画像:公式HP

 

ペンハリガンのポートレートコレクション。その中心にいる人物はこのジョージ卿に他ならない。コレクションの登場人物の相関図を見るとジョージ卿を中心に、その周囲の人々の人間模様が描かれている。

2016年に第1弾として発売されたのは「ジョージ卿」、その妻「ブランシュ夫人」、夫妻の娘「ローズ公爵夫人」とその夫「ネルソン公爵」であり、そこからどんどん広がっていった。

 

ザ トラジェディ オブ ロード ジョージは、伝統を重んじるイギリス紳士ジョージ卿を描いた香り。ャラクターは鹿で、威厳という意味を持たせている。

 

トップはスパイシー。

スプレーすると、クローブを思わせるアーシーなスパイス感が鼻を刺す。奥から渋めのソープ調ウッディがフワッと香り、なるほど確かにクラシカルなシェービングソープのような佇まいだと思う。

 

ミドルはウッディ・ソーピー。

そんなスパイシーを立たせたクリーミーソープと、埃っぽいセダーのウッディの香り。そこに仄かにブランデーのアロマティックや甘さを添えることで少し華が出るものの、紳士然としたダンディーな香りが続く。

 

ベースはウッディ・フゼア。

クリーミーなソープウッディの余韻に、ブランデーの甘さや、樽を思わせるセダーの籠ったウッディ感や、ドライアンバーの硬さが男らしい深みを与えていく。

と同時にトンカビーンの甘さやオークモスが、マイルドなフゼアウッディとして整えながら、そのままドライダウンしていく。

 

ムエットでかぐと、華やかさを抑えた静かなウッディフゼアの香り。ところが肌にのせると、シェービングソープ調ウッディを2時間くらい上品に香らせながら、ベースのどフゼアは4~5時間持続する。

 

色彩を抑えた、液色のような渋いウッディとフゼアの香りで、秋冬に似合うと思う。

 

そんなフワッと香るクリーミーなソープと、古めかしいフゼアの組み合わせ。前半部分をクラシカルなラベンダーではなく、シェービングソープにした点がユニークだと思う。そこにジョージ卿の「幸せな結婚生活に重要なのは、自分の考えを悟らせない振る舞いだ」という哲学を感じ取れる。

つまり自分がどういう香りを楽しみたいかではなく、相手がどういう印象を持つかに重きを置いた香り。ベースは安心感溢れるクラシカルなフゼアウッディ、でも相手に与える印象は若々しいシトラスや、ギラッとしたアロマティックではなく、身だしなみを整えたような清潔なシェービングクリーム。

 

「どうぞお入りください、以前に会ったことがありますよね」と、あたたかく迎え入れてくれるかのように友好的で、信頼のおける豊かさや力強さを感じさせます。また、有能で落ち着きがあり、周囲に安心感を与えながらもユーモアを忘れない富裕な紳士のイメージ。困った時に頼りになり、名声を残すような男性のためのフレグランス(公式HPより)」

 

個人的にはこの香りがもっとも似合うのは40~50代ではなく、30代半ばのオンタイム時ではと思う。

40~50代が使うと小綺麗ではあるが、その落ち着いた雰囲気がピタリとはまりすぎてしまい、地味一辺倒になるのでは。

逆に30代半ばの男性が使うと、外見以上に落ち着いた雰囲気、安っぽくない清潔感、浮わついていない安心感、相手に対しての配慮、それらが合わさった有能感が備わるような気がするけれど、どうだろうか。