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エラケイ:ギブリ

ELLA K

GHIBLI(2022年) ※限定品

調香師:ソニア・コンスタン

おすすめ度:★★★★☆

 

画像:公式HP

サロンドパルファン2022で限定発売された、エラケイのレザーコレクションからの作品。

今回のコレクションはソニア・コンスタンが50日間にわたって家族と共に旅行した、アフリカにインスピレーションを得て創作されたとのこと。

 

彼女は旅で得たものを詩や香りとして変換していく。

 

このレザーコレクションのテーマは「風」。

「風」は古来より人間の存在に大きな影響を与えている故に、人間はある地域に特定した「風」に特別な名前をつけたとのこと。

そして乾いた砂っぽい風のことを、チュニジアではギブリと呼ばれている。

 

シルクのような、灼熱の風の爽快感

ギブリの翼に乗せた恋の想いは、キューピッドの矢のように確実に届くという言い伝えがある。

私はギブリに地中海を渡るように優しい言葉を囁き、撫でるように溜息をついてあなたに託した。

神話を信じることは、神話を蘇らせることだから、私のメッセージは真実であり、私たちの愛は生き続ける!

 

ギブリの風に乗せた恋の香りとはどんな香りなのだろうか。

 

トップはフローラル・レザリー。

スプレーすると、柔らかいなめし革の香りが鼻をくすぐる。そんななめし革のそよ風を感じながら、ジャスミンサンバックのみずみずしいフローラル感と、キャンディーにも似た甘いフルーティノートが広がっていく。

 

ミドルはスイート・レザリー。

ジャスミンサンバックのみずみずしいフローラル感を、ヌガーの甘さが赤色の染め上げていく。

ヌガーとは砂糖や蜂蜜や卵白を混ぜたものを煮詰めて、ドライフルーツやアーモンドを加えたフランスの伝統菓子とのこと。ここではヌガーの香りを、ベリーに似た赤さにキャンディ甘さを加えたフルーティノートで表現している。

このヌガー甘いジャスミンが、なめらかなスエード調レザーで包まれたイメージの、華やかでエレガントな美しいレザーの香り。

実際に肌に乗せてみると、フローラルを含んだフルーティの甘さがさらに拡散し、華やかな赤さがより色鮮やかになるため、これは女性のためのレザーの香りではと感じる。

 

ベースはレザリー・スイート。

ジャスミンの華やかな酸味とベリーのフルーティ甘さが、白い砂のようなレザーと重なることで、香ばしいナッティーなニュアンスにも感じられる。奥では、ミドルとは異なるアニマリックな温かみのあるレザーが静かに香っている。

やがて、温かみのあるレザーやアンバーが甘さを抱え込み、甘いレザーを香らせてドライダウンしていく。

 

最初はそよ風のような柔らかいレザーから始まり、甘くみずみずしい鼓動を高めながら、真っ赤な甘いレザーとしてまとまり、8時間近く持続する。

 

秋冬に映える甘いレザーの香り。レザー部分はなめらかで白く、赤さもどこか陽気なため、春の夕方や夜でも似合うのではと感じる。

 

ギブリの風に乗せた恋の想いは、キューピッドの矢のように確実に相手に届くという。

 

ギブリの香りは肌に纏うことで、私の鼓動や体温を察知し、熱を帯びるように赤さと甘さを高めながら、白砂のレザーの風に乗って広がっていく。

隣にいるあなたへ、私の恋心よ刺され。真っ赤なギブリとなって!