フレグランスアッセンブル

フレグランスの香りの詳細を解析するサイト

ルイ・ヴィトン Parfums de Cologne

公式HPより

 

ルイ・ヴィトンのパルファン ド コローニュについて

カリフォルニアへの旅を誘うコレクション「パルファン ド コローニュ」は、2019年4月に、サンソング、カクタスガーデン、アフタヌーンスイムの3作品が同時発売された。

コロンのように爽やかで軽やかな香りが、オードゥパルファム濃度のため、3~5時間持続する。

また、カラフルなボトルと、アイコンをあしらったこちらもカラフルな化粧箱、通常ライン(レ・パルファン ルイ・ヴィトン)のようなフランス語ではなく、英語のネーミング。

その後、カリフォルニアドリーム(2020年)、オンザビーチ(2021年)、シティオブスターズ(2022年)と毎年新作が発表されるため、個人的には、このコロンの新作をチェックすることで夏の始まりが訪れるといった、すでに夏の風物詩的な存在になっている。

現在では、残念ながらサンソングとカクタスガーデンが廃番、4作品のラインナップとなり、アフタヌーンスイムのボトルもリニューアルされたことで、全てがグラデーションボトルになっている。

 

コロンコレクションは元々、夏の時間の移ろいがコンセプトであり、サンソング(午前)→カクタスガーデン(昼)→アフタヌーンスイム(午後)の時間軸に、カリフォルニアドリーム(夕方)、オンザビーチ(朝)、シティオブスターズ(夜)が加えられている。

 

サンソング

サンソング、とても素敵な名前だ。この名前を聞いただけで心が晴れてくる。

サンソングはいわゆるシトラスやネロリを主軸にしたシトラスコロンの香りで、夏の太陽の陽射しにとても合う。

スプレーすると、上の方からレモン、オレンジ、ベルガモットのシトラスミックス。すぐにネロリの爽やかなフローラルが広がり、とても眩しい。

このネロリはシトロンが強めでほんのり青みががっている。でも美しい。奥からオレンジフラワーのフローラル感が厚みを増すものの、主旋律はこの透き通るようなネロリだ。

そんなネロリの美しい音色を残すように、ペチグレンのほんのりビターなグリーンを漂わせたアンブロクサンとムスクの香りに移行していく。そして、うっすらシトラスネロリを感じながら、5時間くらい持続する。

持っていたら必ず活躍しただろう、王道のシトラスネロリの香り。「次に買うものがなければサンソングを買おう(そしてその次はアポジェを買おう)」とずっと思っていた。

私のイメージでは、このサンソングはトムフォードのネロリポルトフィーノのもっとクリアにしたような香りで、最初の頃は「ネロリポルトフィーノを持っているしな」という理由で買わなかった。さらに2年後、オンザビーチが発売された。オンザビーチはサンソングを骨格に、トップのユズや、ベースのウッディでキャラクターを補強したような作品だったため、逆にオンザビーチが夏の定番になってしまった。

サンソングとは縁がなかったのだと感じている。

 

カクタスガーデン

カクタスガーデン=サボテンの庭。ボトルも化粧箱もグリーン。そして化粧箱にはサボテンのイラストが描かれている。カリフォルニアは、一年中温暖で雨が少なく乾燥した気候のため、砂漠もあり、様々なサボテンが自生しているとのこと。

でもカクタスガーデンは、サボテンをイメージした香りではなく、カリフォルニアの大地、緑、太陽の光や海を含めた、その全てを香りにしたような作品。

そして、ヴィトンのフレグランス群でもっともアロマっぽい香り立ちであり、癒される。

スプレーすると、ハーバルなレモングラスが鼻を刺す。レモングラスの精油のような生臭さはなく、かなりハーバルがキリッとしている。そんなハーバルグリーンを立たせながら、レモンとフレッシュなベルガモットが調和していく。爽やかなレモンとベルガモットの酸味が気持ちいい。

そこからアールグレイのようなみずみずしいティーノートが漂い、奥から少しずつスモーキーなマテがはっきりしてくる。このマテの茶葉がキー素材にあたる。

ベースはとても淡く、アロマティックな残香がほんのり香る。持続は3時間くらい。

アロマっぽいレモングラスから、冷たいレモンティー、少しスモーキーなマテティーと緩やかに変化していく。シングルノートに近い香り方だと思う。

コロナ禍、家で仕事をしている時、何気なく手に取ったカクタスガーデンをスプレーしてみると、これがとても良かった。観葉植物に囲まれたような緑色に、ほんのりレモンティーが添えられている。マテの部分が観葉植物の木や土のようにも感じられる。

もしかすると、そういう使い方が似合ったのかもしれない。

 

 

アフタヌーンスイム

コロンコレクションの最初の3本のうち、手に入れたのはこのアフタヌーンスイムだった。

理由はシンプルで、スプレーした瞬間、このアフタヌーンスイムが一番気持ち良かったから。

スプレーするとマンダリンが弾ける。でも、磯っぽいピリッとした刺激が、香り全体を波しぶきのように仕立てている。マンダリンなのに、色のイメージはボトル色のような透き通るブルー。これには驚いた。

昼下がり、海にダイブする。空を見上げると、照りつくような太陽の陽射しで、海面は青く輝いている。肌からはフワッと磯の匂い。

そういうシーンをそのまま切り取った、海に誘ってくれるような香り。

 

カリフォルニアドリーム

初めて、カリフォルニアドリームのボトル、化粧箱(さらにはショッパー)を見た時、その美しさに見とれた。アレックス・イスラエルのシグネチャーモチーフ「カリフォルニアの空」が見事に再現されて、ボトルや化粧箱がすでにアートだ。このコロンコレクションはどの作品も素敵ではあるが、カリフォルニアドリームが美しさは際立っている。

カリフォルニアドリームは、限りなく広がる青空から美しいグラデーションの空へと変わる、その美しい風景を表現した香り。

でも肌に乗せると、中盤以降のグリーンや、ウッディ、ムスクが少し曇って香ってしまい、私とは相性が悪かった作品でもある。

 

オンザビーチ

正直、夏はこれ1本だけあれば満足できる。そう思わせるくらい、個人的にはもっとも気にっている香り(自分自身のアイデンティティーに関わるため、もちろん、そんなことはしないけれど)。

好きな理由は今まで書き尽くしたけれど、もう一つ加えるのならば、ヴィトンのネロリが好みなのではと思っている。このネロリは少しシトロネラを含んでいるのか、フワッと広がらずにやや鋭く、青っぽい。これが高温多湿でじめっとした日本の夏でもへばるのとなす、ウエストで使用しても、鼻に突き出してくる。これが心地良い。

オンザビーチではここにユズの香ばしい苦みが絡み合い、鼻に馴染む。そして、うっすらと香るハーバルなウッディが白浜のよう。

 

シティオブスターズ

夜のロサンゼルス。星を散りばめたような街の明るさ、夜空に煌めく星々を表現した香り。

実際に使ってみると、コロンコレクションのなかでもっとも女性的な香りだと思う。というのは、カラフルなシトラスミックスのすぐ後に香る、南国を思わせるティアレフラワーの甘さがかなり官能的に感じるから。このままムスクで終わらせれば、ロサンゼルスではなく、ハワイの香りになっていたかもしれない。

でもティアレの後に、ややメンズ的なアロマティックウッディで締めつつ、全体はファッションフレグランス的なパウダリームスクで、都会的な雰囲気でまとめている。

夏の夜に使ってみると、ティアレの甘さやムスクの重さが立ちすぎてしまい、男性の私ではかなり浮いてしまう。

 

 

最後に、コロンコレクションのボトルや化粧箱は、ロサンゼルス在住アーティストのアレックス・イスラエルが手がけている。

ボトルや化粧箱を並べているだけで、インテリアのように部屋を彩ってくれる点も、このコレクションを集める楽しみだと思っている。