LE LABO
TABAC 28(2019年)
調香師:フランク・フォルクル
おすすめ度:★★★★★
画像出典:公式HP
マイアミのシティエクスクルーシブ、タバ28。
キューバの首都ハバナをイメージしたというタバック(タバコ)アブソリュートとウッディを組み合わせた魅惑的な香り。そして、今までかいだタバコをテーマにした香りのなかで最も好きな香り。
トップはスパイシー・ラム。
スプレーすると、グリーンカルダモンのアロマティックなスパイシー感と焦げ感が鼻を突いてくる。そこに芳醇なラムの甘さが広がり、そのまま酔ってしまいたくなるような官能的なオープニング。
ミドルはタバコ・ウッディ。
カルダモンのみずみずしくも鋭いスモーキー感と、ラムの大人っぽくセクシーな甘さを残しながら、深みのある香ばしいタバコの葉が広がっていく。特筆すべきは、良くあるタバコノートにように、タバコがビターに、そして暗く流れていくことなく、ガイアックウッドの少し甘さを持った白色ウッディと重なることで、鼻先はスモーキーなラムの甘さに酔いながら、奥から渋みの少ない本来のタバコの葉の芳醇な香りを楽しむことができる点が素晴らしい。
ベースはウッディ。
ラムの甘さが減退していき、セダーのウッディ感がタバコの葉の香りをドライに仕上げながら、ドライダウンしていく。
ムエットの感じだと、みずみずしいスパイシーとラムの甘さに包まれたタバコが2時間くらい、仄かな甘さが添えられたドライなタバコの香ばしさは6時間近く持続するのでは。もう少し使い込んでから、更新していきたい。
フレッシュなグリーンカルダモンが爽やか、そしてラムの甘さもタバコに彩りを与える程度で、さらにウッディの深みに沈んでいかないため、季節を問わずに使える、稀有なタバコの香りだと思う。
特に前半のラムとタバコが絡み合う香りが素晴らしく、中毒性の強い香りだと感じる。
昔の映画やドラマを観ていると、必ずといっていいほど、タバコを吸うシーンが流れてくる。どこか廃退的で、哀愁が漂っている。そしてタバコの煙に包まれたシーンはかっこよく、とても印象に残っている。
現在ではタバコは完全に悪者で、吸わないに越したことはないけれど、せめて香りだけはそういう魅惑的な男性を演じてみたい、そう思わせるような香り。
そして「シガーは単なるシガーではないことがあります…それは時にはパフュームにもなります!」を証明したような作品。
では、なぜルラボはマイアミのシティエクスクルーシブをタバコの香りにしたのだろうか?それは今のところわからない、、、。