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キリアン:イントキシケイテッド

KILIAN

INTOXICATED(2014年)

調香師:カリス・ベッカー

おすすめ度:★★★★☆

 

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画像出典:公式HP

 
イントキシケイテッドとは酔った状態、陶酔、中毒の意で、アディクティブ ステイト オブ マインド(嗅覚への依存、日常からのエスケープ)コレクションからの作品。
実際にかいでみると、その名の通り、嗅覚を魅了するような中毒性の高い芳醇なコーヒーや、濃厚な甘さを堪能できるスパイシーウッディの香りに仕上げられている。
 
トップはスパイシー。
スプレーすると、キュウリを思わせるグリーンカルダモンの涼し気なスパイシーが鼻を刺す。奥からフレーバーのようなコーヒーの苦みや甘みがほんのりと鼻をくすぐる。このカルダモンとコーヒーの組み合わせが、トムフォードのウードウッドを連想させる。
 
ミドルはスパイシー・アロマティック。
グリーンカルダモンの冷涼感よりも、カルダモンのスモーキーな苦みが存在感を増すことで、涼しげで静かなコーヒーの香りがよりはっきりしてくる。
そこからチョコレートのような深みや甘さが、カルダモンコーヒーのアロマティック感をフワッと際立たせ、男らしいクールな色気を感じる。徐々にシナモンのコーラのような甘さや、ナツメグの苦みが見えてくる。
 
ベースはウッディ・グルマン。
表層はカルダモンやナツメグのツンとした刺激。コーヒーはベチバーと重なることで深みを増し、シナモンはトンカビーンや焦げたキャラメルのような甘さと溶け合っていく。ビター甘い大人の香り。
最後はウードにも似たビターなウッディで深みを増しつつ、白い甘さでいなしながらドライダウンしていく。
 
フレッシュビターなカルダモンコーヒーの香りが2時間近く、そこから熟成していくような深みや甘み、さらには暗さを加えながら、6時間以上しっかり持続する。
 
秋冬の夜、無性に浴びたくなる香り。トップはかなりフレッシュではあるが、暗いアロマティック感がとても男前過ぎて、日中だと浮いてしまうのではと思っている。
 
カルダモンコーヒー、そしてトルココーヒーを思わせる香り。
トップからミドルは、スパイシーを効かせたカルダモンコーヒー。コーヒーの苦さが、カルダモンやナツメグと合わさり、コーヒーのみずみずしい甘さが引き立っている。クルーでスタイリッシュな、颯爽としたアロマティックな香り。
ミドルからベースは、甘さを加えたトルココーヒー。今度はベースの甘さが、コーヒーの硬い苦みや深みを引き立てている。コーヒーが前に立つことで、とろけるような甘さに溺れていかない大人の香り。
 
そして、この2つの香りが重なる時、イントキシケイテッド中毒に陥るような魅力を発する。
なぜなら、表層はコーヒーならではのリラックスを感じる香り、ところが奥からはビターな深みに包まれた色気のある甘さ。誰かのためではなく、自分が放つ香りに陶酔する。
 
個人的にはイントキシケイテッドは、先に上げたウードウッドと重なる。どちらもフレッシュなスパイシーを立たせつつ、静かなウッディーの深みに、その奥の甘さとのコントラスト。
オンタイム、ラグジュアリー感を着飾るウードウッド。休日、スタイリッシュ感を際立たせるイントキシケイテッド。
さらにもっと深みを暗く、もっともっと甘さを強くすることで、色気を立たせた香りが、ブラックファントムでありタバコバニラだと感じている。
これら4つの香りを使い分けるのはとても楽しい。