ATELIER COLOGNE
BOIS BLONDS
調香師:ジェローム・エピネット
おすすめ度:★★★☆☆
画像:公式HPより
残念ながら日本から撤退してしまったアトリエコロン。去った後は、海外から新作を取り寄せることもなくなってしまったものの、撤退前に集めた作品は今でも使用する機会が多い。今さらながら、嗜好性、キャラクター、ナチュラル感など、全体的にバランスの取れた作品が揃っていたと感じている。
ボワブロンも優れた作品の一つで、秋と冬の狭間の10~11月、さらには冬と春の狭間の2~3月によく手を伸ばす香り。
トップはシトラス・グリーン。
専用のレザーケースに包まれたボトルをスプレーすると、みずみずしいベルガモットに、少し控えめなネロリを、ピリッとしたピンクペッパーが明るめに引き締めているような香り立ち。プチグレンのグリーンが漂うことで、ベルガモットのグリーンが青っぽい。
ミドルはフローラル-ウッディ。
そこから輝くようなネロリが広がっていく。その脇からプチグレンのグリーンウッディ。ウッディ部分の奥からベチバーがしっかりしてくることで、ブロンドウッドの名前のとおり、ネロリという太陽の元で、プチグレンとベチバーの木々というようよりも木枝を思わせるライトウッディが照らされることで、ブロンドウッドという名前のとおり、輝くような明るいウッディとしてまとまっていく。
さらにオレンジフラワーの爽やかなホワイトフラワーも重なることで、ナチュラル感を演出している。
ベースはウッディ-ムスキー。
やがてネロリやグリーンが収まり、オレンジフラワーの残香に、硬いベチバー、こもったインセンスやセダーウッドを合わせながら、最後はクリーミーなムスクが包み込んでいく。
ネロリ、プチグレン、オレンジフラワーのオレンジ色の明るさでベチバーの照らしたライトウッディの香り。明るいフローラルやグリーンで照らされたウッディが2時間くらい、そこからオレンジを添えたライトウッディが4時間くらい持続する。
ケミカル感がまったく見当たらない、ナチュラルな淡い香りは、乾燥した冷たい空気に、春や秋晴れの太陽の陽射しを当てたような明るさと、温もりが感じられる日向の香り。
ところで、このボワブロンは、同じアトリエコロンのウーロンアンフィニにとても似ている。特にトップのベルガモットからネロリの流れと、ミドルからベースのオレンジフラワーからベチバーの流れが似かよっている。調べてみると、まず使っているマテリアルのシチリア産ベルガモット、チュニジア産ネロリが同じで、もしかするとベチバーも同じハイチ産ベチバーかもしれない。さらに調香師まで同じだ。
それでも兄弟のようなこの2本、それぞれ使用する機会が多い。ボワブロンは秋を中心に、そしてウーロンアンフィニは春メインと使い分けてる。結果、まあ2本持っていてもいいかなというところで落ち着いている。