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ルイ・ヴィトン:ウール ダプサンス

LOUIS VUITTON

HEURES D'ABSENCE(2020年)

調香師:ジャック・キャヴァリエ

おすすめ度:★★★★☆

 

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画像:公式HPより

 

ウールダプサンスは、レパルファンルイヴィトン11番目の作品。フローラルの表現、キャラクター、嗜好性、ナチュラル感などのバランスが取れた、とても上品で洗練された女性らしいフローラルブーケの香り。

 

元々「ウール・ダプサンス」は、1927年に発表されたヴィトン初のフレグランスの名前が採用されている。残念ながらこの作品の処方は残されていないが、ウールダプサンスとは“余暇の時間”の意味で、以前、ヴィトンがセーヌエマルヌ地方に所有していた別荘の名前もウールダプサンスだったとのこと。花々が咲き誇るグラースの庭園を抜けて、別荘で余暇の楽しい瞬間へ誘うような香りに仕上げている。

 

トップはフローラル。
スプレーすると、いきなりみずみずしいジャスミンサンバックとフルーティなローズが顔を出してくることに驚かされる。すぐにミモザが、ジャスミンやローズをウォータリーな印象に包み込んでいく。
 
ミドルはパウダリー・フローラル。
5分くらい経つと、徐々にそれぞれの香りの表情が見えてくる。
キーの高いところは、みずみずしいジャスミンサンバックとミモザがきれいに調和した香り。ミモザは少しずつパウダリー感を増していき、ジャスミンサンバックが洗練されていく。
中程は、華やかなローズにミモザのパウダリー感が重なり、とても女性らしく仕上げている。そこにラズベリーを添えることで華やかになり過ぎず、フレッシュで鮮やか、さらには可愛らしさが伝わってくる。
奥の方からバイオレットのような硬さが香ることで、ミモザのパウダリー感をはっきりさせている。
 
ベースはムスキー・ウッディ。
ジャスミンやローズのフローラル感が減退してくることで、よりはっきりしてくるミモザのパウダリーな硬さを、ムスクとサンダルウッドが柔らかくまとめながらドライダウンしていく。
 
ミモザをメインに立たせた香り。香りの変化は大きくなく、ミモザのウォータリー部分を中心としたフローラルブーケの香りが2時間くらい、そこからミモザのパウダリー部分を漂わせたフローラルムスキーな香りに移行しながら、全体では5時間くらい持続する。
 
軽やかでみずみずしいフローラルブーケの香り。ベースにあるパウダリーグリーンが、春のような清々しさを演出してくれる。
 
ウールダプサンスでは、グラース産ジャスミンとメイ・ローズ、そしてタヌロン産ミモザが使用されている。
ここまでしっかりミモザを楽しめる香りは、あまり知らない。ミモザは他のフローラルのみずみずしさを引き出したり、パウダリー感を演出したり、サブ的な存在だと思っていた。
 
ミモザのウォータリー感をジャスミンでよりみずみずしく、パウダリー感を女性らしいローズラズベリーがピンクイメージに着飾ることで、一般的なフローラルブーケであれば主役をはるジャスミンやローズがサブになっている。そうすることで、他とは違うふわふわとした軽く爽やかなフローラルブーケの香りに仕上げられている。
まるで別荘でゆっくり休暇を過ごすような柔らかさ、庭園に囲まれたような青っぽさ、ナチュラルな硬さに加え、フローラルの華やかさやパウダリーな女性らしさを備えつつも、洗練されたという言葉がぴったりな香りだと思う。