フレグランスアッセンブル

フレグランスの香りの詳細を解析するサイト

ルイ・ヴィトン:アトラップ レーヴ

LOUIS VUITTON

ATTRAPE-RÊVES(2018年)

調香師:ジャック・キャヴァリエ

おすすめ度:★★★★☆

 

f:id:captain_dora:20211224133127j:plain
f:id:captain_dora:20211224133134j:plain

画像:公式HPより

 

アトラップレーブとは「夢を摑む」の意。

それは夢と現実を行き交う魅惑的な旅。ジャック・キャヴァリエはそんな香りを白昼夢から着想を得て、まるで尾を引いて降り注ぐ流星群のような残り香が印象的なフレグランスとして誕生させた。

 

夢を掴む香りとは、どんな香りなのだろうか。

 
トップはフレッシュ・フルーティ。
スプレーすると、クリアでフレッシュなジンジャーと、みずみずしいベルガモットの香り。ベルガモットの青さが引き立つような爽快なシトラス・スパイシーに、みずみずしいライチ、さらに奥からはキャンディーにも似た甘さが、香り全体をピンクイメージに染め上げていくようなオープニング。
 
ミドルはフローラル・フルーティ。
鼻先にフレッシュなライチを感じながら、同じくピンク色の可愛らしいピオニーが重なってくる。このライチとピオニーの組み合わせはとてもキュートだと思う。
奥から、少しずつカカオの香ばしいビター感と、さらにはローズの華やかな甘さが、そんなフレッシュピンクのフルーティフローラルをエレガントに演出していく。
 
ベースはウッディ・ムスキー。
上の方は明るいローズを残したまま、パチョリがカカオの甘さを濃厚にしていくことで、まるでチョコレートに包まれたローズの香りに。
そこからカカオの甘さに沈むことなく、カカオ・パチョリの香ばしさを漂わせながら、最後はムスクで白い柔らかさを与え、ドライダウンしていく。
 
明るくフレッシュなフルーティフローラルが2時間近く、そこからエレガントなフローラルに、カカオのビターな甘さを添えながら5~6時間持続する。
 
フレッシュなフローラル・フルーティの香り。
シトラスやスパイシーを添えたライチが、とてもフレッシュでみずみずしく、真夏を除けば季節はあまり問わない香りだと思う。
それでも、このフレッシュなフルーティは、秋冬の凛とした空気と調和することで、ビターなカカオフローラルがより美しく立つのでと感じている。
 
最初かいだとき、よくあるフローラルグルマンの香りかと思った。でも実際にかぎこんでいくたびに、この香りの素晴らしさに惚れこんでいく。
 
アトラップブレーヴは2018年にレディースの9作目として発売された。そして、この作品からヴィトンが求める香りの姿が変わってきたと感じる。エマ・ストーンが起用されたのもこの作品からだ。

初期7作品のような強いキャラクターは抑えられ、誰からも愛される香りが肌に寄り添うように広がっていく。さらに心惹かれるエッセンスが、さりげなく散りばめられている。
 
まず、トップのフルーティがそれほど甘くなく、むしろフレッシュで、奥のカカオの甘さやビター感が引き立つような香り。そのカカオに可愛らしいピオニーが重なったかと思えば、華やかなローズやラグジュアリーなパチョリが立ったり、カカオも甘さや苦みを行き来しながら、この香りを個性的に彩っている。一つ一つのパーツが飛び出ることなく、多彩な色を放っているように。
 
それはアトラップブレーヴは夢を掴む香りだから。
そう、まだ夢の途上の香り。
夢に向かっている時、人はとてもポジティブな状態で、輝いている。フレッシュで明るく、みずみずしく鮮やか、そんなポジティブな気持ちがギュッと凝縮されたような香り。
そしてアトラップブレーヴを1本持っていれば、その使用シーンの多さにとても重宝するのではないだろうか。