フレグランスアッセンブル

フレグランスの香りの変化を解析するサイト

シロ:フリージアミスト

SHIRO

FREESIA MIST(2019年)

調香師:日本人 男性

おすすめ度:★★★☆☆

画像:公式HP

 

シロのフレグランスの上位ライン「SHIRO PERFUME」は、世界各国のパフューマーの記憶から生まれたストーリー、パフューマーが厳選した香料をセレクトしたコレクション。水のかわりに徳島県の木頭柚子(きとうゆず)の蒸留水を配合するなど、こだわりが強い。
2019年のサロンドパルファンで一挙に12作品が発売され、なかでもこのフリージアミストは1番人気の香りとのこと。
 
フリージアミストのストーリーは、、、
澄んだ空気に包まれたフラワーマーケット
花束を抱えて嬉しそうに通りを行き交う人たち
水やりされたばかりの花々は太陽が反射しキラキラと輝いている
、、、としている。
 
フラワーマーケットの香りとは、どんな香りなのだろうか。
 
トップはフルーティ。
スプレーするとアップルやペアのみずみずしいフルーティに、ほんのりマスカットの甘さや、ベルガモットの酸味が香る。そんな爽やかなフルーティをカシスがほどよく引き締めているような、とても嗜好の良いオープニング。
 
ミドルはフルーティ・フローラル。
トップの緑グリーンイメージのフルーティをしっかり残しながら、ピンク色のローズピーチが広がっていく。そこにグリーンミュゲを添え、凛とした佇まいのフルーティフローラルの香り。ユズを思わせる果皮の苦みがほのかに感じられ、この刺激がとても心地良い。
 
ベースはウッディ・ムスキー。
鼻先ではすっきりしたユズやグリーンアップルやマスカットを香らせながら、その後ろから明るいベリー甘さを含ませたローズが、パウダリーなウッディやムスクに包み込む。最後はうっすらグリーンローズやウッディムスクの香りでドライダウンしていく。
 
ぱっとかぎの印象はフェラガモのインカントチャームを思い出させる、爽やかでみずみずしい甘さの映えるフルーティフローラルの香り。
それでも、ライトなフルーティフローラルを感じながらも、ミドル以降がかなり分厚い。みずみずしいフルーティフローラルが2時間近く、グリーンフローラルを含んだウッディムスクは5時間以上持続する。
 
水気を帯びた爽やかなフルーティが鮮やかで、春や、夏の終わりから秋口にかけて活躍する香り。誰からも好かれるような嗜好性の高さと、ポジティブな明るさは使用シーンを選ばないのではと感じる。
 
正直、フリージアの香りは見当たらず、フラワーマーケットというわりにはかなりフルーティな香りだと思う。
それでも、フラワーマーケットに並べられたカラフルな花たち。その鮮やかな彩りが、涼しげな風や明るい太陽の陽射しに運ばれて、踊っている。
そんなポジティブなシャワーに包まれたような香り。