GUERLAIN
AQUA ALLEGORIA BERGAMOTE CALABRIA(2017年)
調香師:ティエリー・ワッサー、デルフィーヌ・ジェルク
おすすめ度:★★★☆☆
画像:公式HP
ベルガモットカラブリアは南イタリア・カラブリア地方に広がる果樹園の美しさにインスパイアされた香り。もちろん主役はカラブリア産ベルガモット。「カラブリアの緑のゴールド」と称される希少なベルガモットは、爽やかなグリーンフローラルの香りを放つとのこと。
トップはシトラス・スパイシー。
スプレーすると、みずみずしいベルガモットの香り。どこが土の匂いが含んだジンジャーの硬さが、ベルガモットのみずみずしさを引き立てている。いわゆるゲランらしいクラシカルな表情ではなく、アクアアレゴリアらしいのベルガモット。
ミドルはスパイシー・アロマティック。
ジンジャーにペチグレンのグリーン感、さらにはカルダモンの鋭さを加え、ベルガモットの甘さや、まろやかなアロマティック感が引き出し、ほんのりティーらしさも漂う。
また、このベルガモットに青っぽい硬さや加えることで、さながら果実を摘み取る瞬間の想起させるような香り立ち。
ベースはウッディ・ムスキー。
ティーのようなベルガモットの余韻や、プチグレンの乾いたウッディ感を、クマリンを添えたムスクの白っぽい甘さで柔らかく包み込みながらドライダウンしていく。
持続時間は3時間程度。ジンジャー、ペチグレン、カルダモンのアクセントが、ベルガモットの爽やかさからアロマティックへの移ろいに、フレッシュなグリーン色で彩色していくため、2時間近くベルガモットが楽しめる。
香り全体をみれば、グリーンやフレッシュなスパイシー味の強いベルガモットのため、新緑の頃から夏にかけて似合う香りだと感じる。
ベルガモットカラブリアは、燦燦と照りつける太陽の光を浴びて実ったベルガモットの果実を摘み取る瞬間がイメージできる。
ベルガモットが主役の香りは数多いが、ベルガモットのフレッシュ感、苦み、青っぽさ、みずみずしさ、そして甘さが上手く表現された香りで、他のベルガモット系とはバッティングしないキャラクターを備えている。
最初、ベルガモットカラブリアをかいだ時、少し戸惑った。なぜなら、ゲランらしからぬベルガモットの香りに感じたから。ゲランのベルガモットはどこか気品があり、かぐとすぐ分かると勝手に思っていた。ところがベルガモットカラブリアはシトラス味が強く、とてもフレッシュだ。
でも、陽射しあふれる南イタリア・カラブリア地方にある果樹園の情景やそこに流れるのどかな時間を感じるようなベルガモットは純粋にとても気持ちが良く、アクアアレゴリアの世界観に相応しい表現だと思う。
参考までに公式HPを見てみると、ベルガモットカラブリアとおすすめの組み合わせは、ネロリアベチバー(2022年)、ハーバフレスカ(1999年)、パンプルリューヌ(1999年)、オランジェソレイヤ(2020年)、グラナダサルヴィア(2020年)、フローラチェリージア(2019年)、マンダリンバジリック(2007年)、ペラグラニータ(2016年)、ローザロッサ(2018年)、フローラサルヴァジア(2021年)、ネッターレディソーレ(2021年)と大変なことになっていた。
これだけおすすめがあると、はたしてどの香りが本当におすすめなのかわからなくなってくる。
個人的にはそれぞれの香り、素材、テーマをしっかり堪能したいため、組み合わせよう!と思ったことは一度もない。