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メゾン フランシス クルジャン:754

MAISON FRANCIS KURKDJIAN

754(2012年)

調香師:フランシス・クルジャン

おすすめ度:★★★★★

 

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画像出典:公式HP

 

754はニューヨーク5番街にある高級百貨店バーグドルフ・グッドマンと、パリにあるメゾン フランシスクルジャンのみで販売されている香り。バーグドルフの番地の754がそのまま名前になっている。

メゾン フランシスクルジャンの代表作アクアユニヴェリサリスの流れをなぞったような香りでありながら、よりスタイリッシュにリファインされ、さらにメンズらしい力強さも加わっているため、個人的にはフローラルムスキーシトラスの傑作だと感じている。

 

トップはシトラス・フローラル。

スプレーすると搾りたての爽快なレモンと、濃厚なミュゲの清潔な香り。果皮感と強いシトラスと、上品なミュゲの組み合わせは、アクアユニヴェリサリスと重なる。754の方がシトラスがフレッシュの甘さがなくすっきりしているため、ミュゲのみずみずしいフローラル感がより際立っていると思う。

 

ミドルはフローラル。

レモンが苦みを残し、さらにフローラル感を増した強いミュゲに飲み込まれ、さながらレモンフラワーのような香りに。そこにキリッとグリーンを効かせたフリージア、奥からはプラムのような甘さのあるスイートピーが折り重なる。ミドルのフレッシュフローラルブーケは、爽やかさ、清潔感に加えて、フローラルの厚みの三拍子揃った、とても完成度の高い香りだと感じる。

 

ベースはウッディ・ムスキー。

スイートピーのややフルーティ寄りの残香と、レモン・ミュゲを支えていたドライアンバーやセダーウッド、それらを包み込むようなムスクアコード。このムスクは白いだけではなく、アンバーと合わさることで、アニマリックな温もりが感じられる。ミドルのフローラルを印象を、そのままムスクが柔らかく持続させてたままドライダウンしていく。

 

全体的に香りの変化はあまりなく、ミドルのスイートピーの甘さが抜けるまで3時間弱、全体的には6時間以上持続する。肌の露出する部位に重ねると、思った以上にドライアンバーやウッディが男らしく立ってしまうため、ウエストや内股に使ったほうが、この香りの気持ちよさを堪能できるではと感じる。

 

この754の香りが映えるのは、初春から夏、さらには秋にかけてのデイタイムで、涼しげな春や秋はミュゲやスイートピーのフローラが上品な華やかさを演出し、夏場はフレッシュさ弾けるレモン・ミュゲが爽やかさを添える。そして、なんといってもクルジャンお得意の清潔なウッディムスクの嗜好が良く、とても使いやすい。

 

基本的な流れはアクアユニヴェリサリスに似ているが、レモンの果皮感やドライアンバーのシャープさや、フローラルの厚みを加えた上位モデルの香りといって差し障りないのでは。
同じく、アクアユニヴェリサリスの上位モデルのフォルテほどフローラルが弾けない分、男性やフォーマルシーンでは754の方が断然使いやすいと思う。

 

個人的には、クルジャンの長所が見事に発揮されたような作品で、私のなかではバカラルージュと並び2大傑作であり、日本で販売されても人気が出るのではと感じている。