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ザ ディファレントカンパニー:オスマンチュス

THE DIFFERENT COMPANY

OSMANTHUS(2000年)

調香師:ジャン=クロード・エレナ

おすすめ度:★★★☆☆

 

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画像:公式HP

ここ数年人気がある金木犀。金木犀好きであれば一度はかいでみたい香り。というのはオスマンチュスには、250mLにつき20kgの金木犀の花が使われているようで、実際に金木犀の花そのものが使われているフレグランスは珍しいと思う。

オスマンチュスは、ザ ディファレントカンパニーが設立された2000年に発表された作品であり、中国の紫禁城を訪れたジャン=クロード・エレナが、その感動の記憶を留めておくためにデザインしたとのこと。

 

トップはグリーン・シトラス。

スプレーすると、グリーンの鋭い青さを帯びたベルガモットに、マンダリンオレンジの明るい甘さを添えた香り。奥からオスマンサスのコク甘さがフワッと漂っている。

 

ミドルはフローラル・フルーティ。

ベルガモットのみずみずしい青さに包まれたオスマンサスが強くなっていく。マンダリンの果皮感や、クリーミーなピーチ甘さを含んだ、美しいオスマンサスの香り。

奥からジャスミンサンバックやゼラニウムがアロマティックな硬さを添えている。

 

ベースはフルーティ・ムスキー。

そのオスマンサスがまるで蜃気楼のように霞んでいくことで、クリーミーなピーチやみずみずしいペアのような香りにも感じられる。そんなクリーミーなオスマンサスの甘さを、淡いムスクやウッディ、クマリンが包み込んでいくようにドライダウンしていく。


持続時間は3~4時間くらい。前半1時間はみずみずしいオスマンサスで、そこからオスマンサスのクリーミーな甘さがふんわりと香っていく。


前半の爽やかな青さや硬さ、そしてみずみずしさはどこか涼し気で、春の陽光にとても似合う。後半のクリーミーなオスマンサス部分もフルーティが硬く、やはり秋よりも春向きではと思う。

 

ところでジャン=クロード・エレナには、同じオスマンサスの香りでオスマンサスユンナン(2004年)という傑作がある。北京の故宮を訪れた時のイメージとあり、おそらくテーマも一緒ではと思われる。

オスマンサスユンナンは、オスマンサスの爽やかさよりも酸味を立たせ、また静かなティーノートを重ねることで、より秋をイメージした香りに仕上がっている。

オスマンチュスがオスマンサスそのものを香りとして表現したのに対し、オスマンサスユンナンはオスマンサスを中心に置いた景色ごと香りにしている。

 

秋風に運ばれてきた金木犀の香りはとても気持ちがいい。でも、その香りに誘われて、実際に花に鼻を近づけてみると、フローラルのコクが強く、香りも強烈だ。

オスマンチュスも金木犀の香りと同様に、ピーチ様のラクトンのコクが鼻に付き、少ししつこくも感じてしまう。

金木犀そのものが好きならばオスマンチュスを、金木犀が漂う空気が好きならばオスマンサスユンナンがおすすめだと思う。