フレグランスアッセンブル

フレグランスの香りの変化を解析するサイト

ザ ディファレント カンパニー:オリエンタル ラウンジ

THE DIFFERENT COMPANY

ORIENTAL LOUNGE(2009年)

調香師:セリーヌ・エレナ

おすすめ度:★★★★☆

 

f:id:captain_dora:20211017170623j:plain

画像出典:公式HP

 

最近、マイブームのアンバーの香り。以前に購入したオリエンタルラウンジを改めてかいでみると、まあユニークなアンバーの表現!

オリエンタルラウンジは、ザディファレントカンパニーを設立したジャン=クロード・エレナがエルメスの専属となり、ブランドを引き継いだ、娘のセリーヌ・エレナが創り出した作品。

トンカビーンやラブダナムのオリエンタル風な甘さと、カルピエやペッパーやドライアンバーの辛さとの対比に、華やかなバラの花束を添えたような、オリエンタル・スパイシー・アンバーの香りになっている。

 

トップはスパイシー・シトラス。

スプレーした瞬間、爽やかなベルガモットの香り。すぐにブラックペッパーの刺激や、カルピエのかなり強いスパイシー感が追いかけてくる。さらにその奥からバルサミックな甘さが薄っすらと香る。このカルピエは和名大葉月橘、別名カレーの木と言い、確かにカレーとまでは言わないが、 コリアンダー、ナツメグのような香辛料的な香りとベルガモットが、オリエンタルとは思えないくらいフレッシュな印象を与えている。

 

ミドルはフローラル・スパイシー。

アーシーなスパイス感を残した刺激的なローズと、樹脂のような甘さのあるサテンウッドの香り。ムエットだと、スパイシー感やウッディ感が強いが、肌に乗せるとローズや樹脂の甘さが増し、かなり華やかな印象になる。

 

ベースはオリエンタル・アンバー。

パチョリを思わせるアーシーなローズの残香と、スパイシーなドライアンバーと、ラブダナムのバルサミックな甘さ。そこにトンカビーンやバニラの甘さを軸に、サンダルウッドやインセンスのようなビターなウッディの香らせながら、ドライダウンしていく。

 

トップの香り立ちから、かなり拡散すると思いきや、ミドル以降は肌に馴染むようにソフトに香って、ゆったりとしたオリエンタルアンバーの香りが8時間近く持続する。

 

名前のとおり、オリエンタルを主体とした秋冬に出番の多い香り。そこにかなり強めなスパイシーや、辛いドライアンバーを加えることで、いわゆる通常のオリエンタルとは一味違うキャラクター付けがされている。

この辛さがオリエンタルな香りというよりも、オリエンタルな空気そのものを表現をしているようで、まるでホテルラウンジのような非日常な楽しめる香りに映る。


甘さと辛さのバランスは、トップからミドルまでが4対6くらい、ベースは6対4くらいで、スパイシーウッディのようなドライアンバーのフレッシュな印象と、トンカビーンやラブダナムの甘さのコントラストが、男性が纏うとセクシーに、女性が纏うとクールに演出してくれるように感じる。全体的には、スパイシーなローズがなかなかエレガントで、やや女性向きな香りだと思っている。