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シャネル:N°22

CHANEL

LES EXCLUSIFS DE CHANEL N°22(2016年 ※オリジナルは1922年)

調香師:エルネスト・ボー、ジャック・ポルジュ

おすすめ度:★★★★☆

 

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画像:公式HPより

 

2021年、シャネルN°5は生誕100周年を迎えた。そして2022年はN°22が100周年を迎える。

ココ・シャネルがエスレスト・ボーに「女性のための香り」をオーダーし、彼は10本の試作(1~5、20~24)を創香した。その試作の中から5番目の香りが選ばれ、そのままN°5という名前で1921年に発売された。

N°22も最終候補まで残っていた。そしてN°22は1922年に発売された。姉のN°5に対して、妹のN°22という関係だ。

 

トップはアルデヒド・フローラル。

スプレーすると、とても強いアルデヒドが立ち込める。そのアルデヒドにネロリやミュゲが、太陽の陽射しのように明るい光を当てているオープニング。

 
ミドルはフローラル・アルデヒド。
キラキラと輝く明るいフローラルアルデヒドに、ややスパイシーなチュベローズが絡み合う。奥からはイランイランやローズ、さらにはジャスミンの官能的なフローラルブーケが香り立つ。このフローラル部分はN°5の香りと重なるものの、よりホワイトフローラルの女性らしい明るさが際立っている。
 
ベースはフローラル・ウッディ。
鼻先にチュベローズの酸味を立たせたフローラルアルデヒドに、バニラの甘さ、少しアニマリックなウッディを重ねることで、ミドルの香りから大きく変化していかない。最後はうっすらフローラル感を漂わせながら、ベチバーやバニラが少しずつ乾いていく。
 
最初の1時間は、キラキラ輝くフローラルアルデヒドの香り。そこからフローラルの美しさや甘さを加えながら、最終的には5~6時間持続する。
 
明るいネロリやミュゲで照らしたフローラルアルデヒドの香り。アルデヒド部分がかなり厚みがあり、真夏以外は似合う香りだと思う。
 
改めてN°5と比較してみると、エルネスト・ボーが最初にクリエーションしたのは、もしかすると、このN°22の方ではと思えてくる。
N°22の方がアルデヒドが濃く、N°5の方はフローラルアルデヒドにパウダリーな柔らかさ、アニマリックな温もりなどを加え、香り全体が複雑で重厚になっている。N°5から引き算をしてN°22が生まれたのではなく、N°22のアルデヒドを整え、より女性らしい深みを加えていったのではと考える方が自然ではないだろうか。
ちなみにN°5はアルデヒドの量を間違えて配合した結果、生まれてきた香りだとも伝えられている。エルネスト・ボーの頭の中にはアルデヒドフローラルの香りのイメージがあり、間違えてアルデヒドを大量に入れたため、N°22が出来上がり、そのN°22をブラッシュアップすることでN°5が完成したのではと感じている。
 
そう考えると、本当はN°22が姉、N°5が妹、そして、2016年に発表されたN°5ローはN°5の娘かもしれない。
 
官能的なN°5と、美しい女性を体現したようなN°22。
そして、ローはトップにアルデヒドをしっかりと立たせつつ、シトラスやネロリで明るく爽やかに整え、ベースは石鹸調の清潔な香りに仕上げている。N°5より若々しく、N°5よりも現代的な香り。
 
N°22の香りは、N°5とローのちょうど中間のような香りに感じるため、N°22はローの誕生とともに、その役割の半分以上が終えたのかもしれない。
 
それでも、N°22のフローラルの美しさ、クラシカルな落ち着きや佇まい、そして輝くような明るさで描かれた、真の女性らしい魅力は失われることがない。